問題1:今日もっとも使われている半導体材料は何か。以下の中から正しいものを選びなさい。
- シリコン
- ゲルマニウム
- ガリウムヒ素
- 銅
《正答》
1.
《解説》
シリコンは地球を構成する主要な元素の一つで,天然資源として豊富に存在しています。常温・常圧で安定性が高く,高純度の単結晶を生成可能です。さらに,不純物添加でN型,P型の半導体を,また,酸化することで良質な絶縁体を作成できます。このような特徴から,シリコンは半導体材料の中心として利用され続けています。(テキスト P.8, 「1.1.1 半導体材料」)
問題2:下の4種類のパッケージ形状(ア~エ)の名称について正しい組み合わせを1~4の中から選びなさい。
-
- ア:SOP
- イ:PGA
- ウ:DIP
- エ:QFP
-
- ア:DIP
- イ:PGA
- ウ:SOP
- エ:QFP
-
- ア:DIP
- イ:PGA
- ウ:QFP
- エ:SOP
-
- ア:QFP
- イ:DIP
- ウ:SOP
- エ:PGA
《正答》
2.
- ア:DIP
- イ:PGA
- ウ:SOP
- エ:QFP
《解説》
パッケージ形状は大別して挿入実装タイプと表面実装タイプがあります。挿入実装タイプはプリント基板のスルーホールにデバイスのリードを挿入して、はんだ付けで固定するタイプです。リードが2側面から取り出されるDIP(Dual Inline Package)、リードがパッケージ下面から取り出され格子状に配置されているPGA(Pin Grid Array)などがその例です。表面実装タイプはプリント基板表面に設けられた接続用パッドにデバイスのリードを接触させ、はんだ付けで固定するタイプです。リードが2側面から取り出されガルウィング型をしているSOP(Small Outline Package)、リードが4側面から取り出されガルウィング型をしているQFP(Quad Flat Package)などがその例です。
(テキスト P.31-34, 「1.3.3 パッケージタイプ」)
問題3:次の文章を読んで()内に入る正しい言葉の組み合わせを1~4の中から選びなさい。
単位時間内に故障となる半導体デバイスの比率を( ア )と呼びます。
一般に( イ )という単位が用いられ、1単位は100万個の半導体デバイスが1,000時間動作して故障発生が1個のレベルに相当します。
たとえば、10万個の半導体デバイスが30日間動作で1個の故障が発生したとすると、30日間は( ウ )時間に相当するので( エ )単位と計算されます。
-
- ア:故障率
- イ:FIT
- ウ:720
- エ:13.9
-
- ア:平均修復時間
- イ:℃
- ウ:300
- エ:139
-
- ア:平均故障時間
- イ:kg
- ウ:7200
- エ:1390
-
- ア:稼働率
- イ:%
- ウ:3000
- エ:1.39
《正答》
1.
- ア:故障率
- イ:FIT
- ウ:720
- エ:13.9
《解説》
出荷時点では正常に動作していた半導体が、使用時間の経過とともに正常に動作しなくなる、すなわち故障する比率を 故障率(failure Rate) と呼びます。故障数は時間の経過とともに増えていくので、故障の発生頻度を表すために単位時間あたりの故障発生比率を用いますが、通常は非常に小さな値ですので10-9を1としたFITという単位を用います。これは100万個の半導体デバイスが1000時間動作して故障発生が1個のレベルに相当します。
たとえば、10万個の半導体デバイスが30日間動作で1個の故障が発生したとすると、30日間は 30×24=720時間 に相当するので、(1/100,000×720)×109=13.9単位(13.9FIT) と計算されます。(テキスト P.50, 「2.2.1 信頼性評価の指標」)
問題4:下の記述内の(ア~エ)について、正しい組み合わせを1~4の中から選びなさい。
p型半導体領域への接続端子に(ア)、n型半導体領域への接続端子に(イ)を与えると、pn接合は(ウ)状態となり、pn接合の境界付近には、(エ)と呼ばれる正孔と電子が出払った領域ができ、電流は流れない。
-
- ア:負の電位
- イ:正の電位
- ウ:順バイアス
- エ:チャネル
-
- ア:負の電位
- イ:正の電位
- ウ:逆バイアス
- エ:空乏層
-
- ア:正の電位
- イ:負の電位
- ウ:順バイアス
- エ:空乏層
-
- ア:正の電位
- イ:負の電位
- ウ:逆バイアス
- エ:チャネル
《正答》
2.
- ア:負の電位
- イ:正の電位
- ウ:逆バイアス
- エ:空乏層
《解説》
pn接合(ダイオード)の重要な機能として、電流を一方向にしか流さない整流作用があります。pn接合のダイオード動作には、p型半導体領域と、n型半導体領域への電位の与え方によって、順バイアスと逆バイアスの2つの状態があります。順バイアス状態では、pn接合間に電流は流れますが、逆バイアス状態では、電流は流れません。設問内の記述において、最後に電流が流れないという記述があることから、pn接合の逆バイアス状態に関する説明であることが分かります。
問題5:半導体の信頼性に関する以下の記述の中で誤っているものを選びなさい。
- 信頼性の要求レベルは用いられる用途(コンシューマ、車載等)によって異なる。
- 一般に高い信頼性を実現するには必要なコストも増加する。
- 信頼性とは半導体製造時に高い歩留まりを実現することである。
- 高い信頼性の確保には設計、製造、出荷試験、出荷後のサービスまで含めた一貫した活動が重要である。
《正答》
3.
《解説》
「信頼性 (Reliability)」は「アイテムが与えられた条件で既定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質」とされています。信頼性とは半導体製造時に高い歩留まりを実現することだけではありません。半導体製造時の高い歩留まりは一般に故障率を低減しますが、それだけで不十分な場合は設計、出荷試験、および出荷後のサービスでの様々な工夫が必要です。
問題6:A/D、D/A変換デバイスに関する以下の記述を読んで,()内に入る正しい言葉の組み合わせを1~4の中から選びなさい。
半導体プロセス技術の進歩に伴い,A/D、D/A変換デバイスに使用されるプロセスの主流は,高速動作が可能な( ア )プロセスから ,( イ )プロセスや( ア )と( イ ) の利点を合わせ持つ( ウ )プロセスに移っている。これにより,A/D,D/A変換器ともに,分解能と変換速度が向上している。
-
- ア:バイポーラ
- イ:CMOS
- ウ:化合物
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- ア:バイポーラ
- イ:CMOS
- ウ:BiCMOS
-
- ア:CMOS
- イ:バイポーラ
- ウ:BiCMOS
-
- ア:CMOS
- イ:バイポーラ
- ウ:化合物
《正答》
2.
- ア:バイポーラ
- イ:CMOS
- ウ:BiCMOS
《解説》
使用するプロセスとしては、以前は高速性という利点からバイポーラプロセスが主に用いられていました。しかし、現在では、微細化による分解能と変換速度の向上が可能になるという点から、BiCMOS プロセスやCMOS プロセスが主流になっています。
問題7:下図で示されるセットアップ/ホールド時間測定方法に関し、( )に入る正しい番号の組み合わせを1~4の中から選びなさい。
ファンクション試験で必ずPASSする入力データの立ち上がり(下がり)タイミング、必ずFAILする入力データの立ち上がり(下がり)タイミング、の2点を決定する。この2点間でバイナリサーチを実行し、PASS⇔FAIL変化点を求める。Setup、hold測定それぞれのバイナリサーチで得たPASSとFAILの変化点から以下の式でsetup/holdを求める。
setup時間 = (A)-(B)=(C)
hold時間 = (D)-(A)=(E)
-
- (1)
- (3)
- (2)
- (5)
- (4)
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- (5)
- (1)
- (4)
- (1)
- (2)
-
- (5)
- (4)
- (1)
- (3)
- (3)
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- (1)
- (2)
- (3)
- (5)
- (4)
《正答》
4.
- (1)
- (2)
- (3)
- (5)
- (4)
《解説》
データ入力はクロック入力の立ち上がりで確実に取り込むことができなければなりません。このため、クロック入力の立ち上がりタイミングの前後でデータ入力の値を一定時間保持しておく必要があります。クロックの立ち上がりよりも少し早く確定させる部分 (3)はセットアップ時間と呼ばれ、クロックの立ち上がりよりも少し遅くまで確定させておく部分 (4)はホールド時間と呼ばれます。